京大の現代文の特徴は、記述の指定字数がとても長いということです。 大設問一つに対して、100字~200字レベルでの記述を5題前後要求されますから、文章の論理的な構成を意識することが大切です。本文中には、キーワード、キーセンテンスとなる表現が少ないため、「ある部分をごっそり抜き出して、それをそのまま書き写して答えにする」という方法は、全く通用しません。これが第一の難しさです。

京大の現代文には、著名な作家、思想家たちの、一見するとさらりと読めそうな文章が出題されていますが、設問に答える段階になると、「なんとなくわかった」「なんとなく読めた」が許されない出題になっています。論理的な思考を要求されていますから、まずは、「論理的に考える」とはどういうことなのかを学ぶ必要があります。 そのためには、本文中の対比構造、因果関係をつかむことが大切です。京大の過去問によく出てくる「眼光紙背に徹する」という語があります。この表現は、文章を徹底的に読むことを意味していますが、まさに、入試でこのことが求められているのです。これが第二の難しさです。

京大の国語を解く力は、センスでも感性でもありません。論理的な思考を組み立てるための時間を積み上げることができるかどうかです。その意味では、理系の生徒の論理的な思考力は、国語の読解と記述に非常に役立ちます。京大は、理系にも国語が課せられます。国語は苦手とあきらめないで、訓練を積み上げ、京大をねらいましょう。
当塾の「京大の現代文」の授業は、完全個別授業です。 まず、本文を音読させます。京大受験生であっても(京大受験生だからこそ)、本文の音読を必ずさせます。

音読を聞けば生徒の語彙量がほぼわかりますので、授業を組み立てることができます。読めない語句があったときは、読み方と意味を説明します。京大過去問といえども怖がらず、音読しながら過去問にふれていくこと。これが、京大受験の王道です。
音読後、設問を一題ずつ解いていきます。文章を書かせると、生徒のもっている潜在的な国語力が浮き彫りになります。語彙量、論理的思考力の有無、文章構成力など、現段階で生徒に欠けているものを生徒の答えから探り、設問ごとにアドバイスしていきます。【添削→書き直し】をくり返して、模範解答に近づけます。
最初の授業では、どの生徒も、90分で2題解くのがやっとです(大設問1の中の2題です)。なぜなら、本文のキーワードをおさえられないため、筆者が何を言いたいのかさっぱりわからず、100字の記述をひらがなばかりで水増ししたような答えを書いてしまい、何度も何度も書き直しとなるからです。 入会後1か月は、京大の現代文の難しさが身にしみる授業となります。しかし、授業の回数を重ねることで、数少ないキーワードを見つけることができ、キーワードから対義語、類義語などを推測することができ、二項対立、三段論法を身につけていきます。3か月ほど過ぎた頃には、100字、200字の記述が平気になってきます。

京大の現代文の過去問をみると、教養として読んでおきたい著者の作品がずらりとならんでいます(たとえば、西田幾多郎、寺田寅彦、島崎藤村、芥川龍之介など)。 はじめは過去問をざっと読むだけでもよいです。怖がらずに過去問に接していきましょう。
筆者のもとに、「冬」「貧」「老」の使者が訪れ、それぞれのよさを訴える作品です。 読解の練習教材として優れているので、京大志望者はもちろんですが、京大志望でない生徒にも取り組ませています。 文章の内容を表に書き表し、欠けている内容を推察して、答えを組み立てます。 「文章をマトリクスに置き換える」。この思考法ができるようになると、読解がとても楽になります。
偉大な思想家の書を読む必要性を述べている文章です。漢文調でつづられている、読みにくい文章のため、ある程度、京大の問題に慣れてから取り組ませています。 訓練を積んだ生徒(当塾に入会して3か月ほど)ならば、西田氏特有の流れるような文章から、キーワードを拾い出すことができるようになります。西田氏の文章は、京大の他の年度にも出題されていますから、意識的に西田氏の文章に触れておく必要があります。
